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1票の格差 きょう7か所で判決 NHKニュース

一連の裁判では26日、東京、大阪、広島、岡山、松江、宮崎、那覇の7か所の高裁や高裁支部で判決が言い渡されることになっていて、これまでと同じように国会に対し格差是正を迫る判断が続くものとみられます。

再び、「選挙無効」の判断が示されるかどうかは、裁判所が格差是正に向けた国会の取り組みをどう評価するかが焦点になります。

判決について最高裁の元判事の泉徳治さんは、「今後も憲法違反の判断は各地で続くとみられる。国会は『0増5減』にとどまらず、都道府県別の定数を人口に完全に比例して配分するよう、速やかに法律を改正することが必要だ」と指摘しています。

1票の格差 7件目の違憲判決 NHKニュース

このうち島根1区を対象にした裁判で、広島高等裁判所松江支部の塚本伊平裁判長は26日、「おととしの最高裁判所が『違憲状態』と指摘した判決から衆議院が解散されるまでに1年9か月近くあり、必要な審議ができたにもかかわらず、合理的な期間内に是正されなかった」として、憲法に違反するという判決を言い渡しました。
一方で、「議員1人当たりの有権者数が最も少なかった高知3区と島根1区との間の1票の格差は、比較的軽微であるうえに、今後、最高裁判所の判決に沿った区割りの改定が行われる可能性がないとは言えない」などとして、選挙を無効とすることまでは認めませんでした。

東京高裁 1票の格差で違憲判決 NHKニュース

このうち、東京高等裁判所で判決が言い渡され、奥田隆文裁判長は「最高裁の判決を受けて国会は、できるかぎり速やかに格差を見直すべき義務を負ったのに、選挙までのおよそ1年9か月の間に是正が行われず、憲法上求められる期間を過ぎていた」と指摘して、憲法違反だとする判断を示しました。
一方で、「政治や国民に影響を及ぼす」という理由で、選挙の無効を求めた訴えは退けました。

1票格差 福岡高裁那覇支部も違憲判決 NHKニュース

去年12月の衆議院選挙は、選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があったことについて、全国の裁判所で憲法に違反するかどうかの審理が行われています。

このうち、沖縄1区を対象にした裁判の判決で、福岡高等裁判所那覇支部の今泉秀和裁判長は、「最高裁が、おととし憲法違反の状態だという判断を示してから選挙まで1年9か月近くあり、国会は格差を是正することが最優先の課題だと十分認識できたはずなのに、是正のための速やかな措置を取ったとは言えない」と指摘し、憲法に違反するという判断を示しました。
一方で、「今後、格差の是正に向けた作業が進められる可能性がある」として、選挙を無効にすることまでは認めませんでした。

福岡高裁宮崎支部 1票格差で違憲判決 NHKニュース

このうち、宮崎県の選挙区を対象にした裁判の判決で、福岡高等裁判所宮崎支部の横山秀憲裁判長は、「格差は2倍を超えており、最高裁判所違憲状態と判断した4年前の衆議院選挙をも上回り、憲法の投票価値の平等の要求に反することは明らかだ」と指摘し、憲法に違反するという判断を示しました。
そのうえで、「去年の選挙は前回と全く同じ区割りで、選挙制度の抜本的な改正はもとより、部分的な改正さえ実行されなかった」と国会の対応を批判しました。
その一方で、「格差を是正する『0増5減』の法律が成立するなど、今後の具体的な区割りの審議も予定されている」として、選挙を無効にすることまでは認めませんでした。

広島高裁 別の裁判長は選挙無効退ける NHKニュース

一連の裁判のうち、広島1区から3区を対象にした裁判の判決で、広島高等裁判所の小林正明裁判長は26日、去年の選挙は憲法に違反するという判断を示しました。
しかし、「選挙を無効にすると、国政の運営に重大な支障を与えるおそれがあり、国会では選挙の区割りの改定も検討されていて、格差の是正が期待できる」などとして、選挙の無効を求める訴えは退けました。

広島高裁では25日、同様の裁判を担当していた筏津順子裁判長が「ゆがみは、もはや憲法上許されない事態だ」などと指摘し、選挙を無効とする判決を言い渡していて、選挙を無効とするかどうかで、同じ裁判所でも判断が分かれる結果になりました。

1票の格差 大阪高裁も違憲判決 NHKニュース

このうち、近畿地方の一部の選挙区を対象にした判決が、大阪高等裁判所で言い渡されました。
この中で、小松一雄裁判長は「最高裁判決のあとも1票の格差は拡大し、国会の最優先課題としてできるだけ速やかに是正することが厳しく求められていたのに、政党間での対立などで取り組みが遅れた。こうした状況は、憲法の要請をないがしろにするもので見過ごせない」と指摘して、憲法違反だとする判断を示しました。
一方で、「小選挙区を5つ減らす『0増5減』の法律が成立するなど、改善の方向も一応示されている」という理由で、選挙の無効を求めた訴えは退けました。

広島高裁岡山支部も選挙無効の判決 NHKニュース

このうち、岡山2区を対象にした裁判で、広島高等裁判所岡山支部は26日、岡山2区の選挙を無効とする判決を言い渡しました。
国政選挙を無効とする判決は、25日の広島高裁に続き、2件目です。
判決で、片野悟好裁判長は「おととし最高裁が『憲法違反の状態』と指摘してから選挙までのおよそ1年9か月は、衆議院議員の任期のおよそ半分に当たるので、区割りなどを改定するのに不十分だったとは到底言えない」と述べ、去年の選挙は憲法に違反していると判断しました。
そして、国会が去年、衆議院の解散当日に「0増5減」の法律を成立させたことについて、「最高裁憲法違反と判断したすべての都道府県にまず1議席を割りふる『1人別枠方式』を基礎にしたものにすぎず、格差を是正する立法措置を行ったとは言い難い」と述べ、不十分な取り組みだと指摘しました。
そのうえで、「選挙までに格差を是正しなかったことは国会の怠慢であり、司法判断に対する甚だしい軽視というほかない」と厳しく批判しました。
さらに、「選挙を無効にすれば、対象となった選挙区から議員が選出されないままの状態になるが、長期にわたって投票価値の平等に反する状態を容認することの弊害に比べ、政治的混乱が大きいということはできない」と指摘して、選挙を無効とする効力が、判決が確定ししだい生じるようにしました。

岡山支部の判決は、選挙を無効とするまでに一定の期間を置いた25日の広島高裁よりも、国会に対し厳しい姿勢を示すものとなりました。

一連の裁判で26日は、ほかにも東京や大阪、それに沖縄など6か所の裁判所で判決があり、いずれも去年の選挙を憲法違反とする判断が示されました。

26日までに15件で判決が言い渡され、このうち13件で、「去年の衆議院選挙は憲法に違反している」と判断されました。
さらに、この中の広島高裁と広島高裁岡山支部の2件の判決は、戦後一度も言い渡されたことのなかった、国政選挙を無効とする判断に踏み切りました。
一方、憲法違反としなかったほかの2件の判決も、投票価値の格差自体は憲法違反の状態だと指摘していて、合憲の判断が1件もない異例の事態になっています。

一連の裁判では27日、仙台高裁秋田支部で最後の判決が言い渡されることになっていて、その後、審理の場は最高裁判所に移ります。