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歌詞に込める歌姫の思い

 最近の歌は、歌詞が大切にされていない−。そんな嘆きを聞くようになって久しい。作曲優先で歌詞にあまり意味を持たない歌にも名曲はある。しかし、言葉の伝統を重んじて、情景を目に浮かばせたり、心情に共鳴させたりといった歌も、ときにはしみじみと聴きたいものだ。

 米ジャズバンド、ピンク・マルティーニと共演して話題となった由紀さおりは、ニューシングル「愛だとか」(EMIレコーズジャパン、1200円)を発表した。長く連れ添ったパートナーへの感謝を表現した歌だ。由紀は「この人と出会えてよかったと思っている人たちへの応援歌」と話す。


 「21世紀の歌謡曲」をモットーにする由紀。日本語のニュアンスを崩さないことはもちろん、余韻を楽しんでもらえるよう心掛けたという。歌の中で《ひとつのパンを分けあえば》という一節がある。「『パン』は一つの象徴で、何か大切な物や思い出を分けあうと置き換えて聴いていただきたい。それが歌謡曲の楽しみ方です」と語った。