普通のサラリーマンには馴染みが薄いが、元グーグル社員の佐々木大輔氏が開発した会計ソフト「freee」が話題になっている。
これに顔が“青色”になっているのが、全国7万3700人の税理士たち。「勘定奉行」(OBC)のような会計ソフトが出た時も、「おまんまの食い上げ」といわれたものだが、今度のソフトは、これまでとは中身も内容もまるで違う。
東京郊外で個人事務所を営む税理士が言う。
「これまでの会計ソフトは、勘定をいちいち“手打ち”していましたが、freeeは“全自動”。ウェブ口座の明細が自動的に会計帳簿に振り分けられるのです。従業員数人規模の会社の会計なら、ものの1分で終了ですね」
実際、税理士はどうなるのか?
「壊滅的被害を受けるのは間違いありません。現状でも税理士は、同じくすっかり食えなくなった公認会計士からの転身組に仕事を取られ、顧問契約料もダンピング傾向だし、さらに法人数の減少という3重苦。これまでの会計ソフトには『素人には扱えませんよ』の一言で対抗してきましたが、もうそうも言えない。アメリカでは、すでに会計ソフトの台頭で公認会計士(CPA)が大量に失業したと聞いています。日本も同じことになるでしょうね」(前出の税理士)