地方都市でずっと生活してきた僕からみると、商店街や駅前の書店から、車で行く郊外型書店が中心になったのが、1980年〜1990年代前半くらい。その後、どこも同じような品揃えになった郊外型書店は、本が売れなくなるのと同時にバタバタと潰れ、ショッピングモール内の大型書店とAmazonの時代がやってきました。
先日、某デパート内にある中型書店(新書の新刊はひととおり揃っている、というくらいの規模です)をブラブラしていると、店員さんの電話の声が聞こえてきました。
そうか、「客注」か……
「なぜ、その本を注文したお客さんは、Amazonで買わなかったのだろう?」
だいたい、現在のAmazonの国内出版物の売上シェアは、10%前後、といったところでしょうか。
ひとつのネット書店として考えれば、ものすごい売上高なのですが(ジュンク堂や紀伊国屋が長年かけて積み上げてきたものを、一気に追い越してしまってもいますし)、それでもまだ「10%」なんですよね、Amazonのシェアって。
そこで、あらためて考えてみることにしたのです。
「リアル書店で本が売れない理由」ではなく、「なぜ、Amazonがこんなに便利なのに、リアル書店で本を買う人が大勢いるのか?」について。