アサド政権と反政府勢力との和平に向けた交渉を仲介してきた国連のブラヒミ特使は、１３日、ことし１月に交渉が始まって以来初めて、国連安保理の非公式の会合で報告を行いました。
この中でブラヒミ特使は、反政府勢力側がアサド政権の早期退陣を要求しているのに対し、政権側がこれを拒否し逆に反政府勢力によるテロを止めるのが先決だと主張して議論が進まないと報告しました。
そのうえで、シリア政府がアサド大統領の再任を目指す選挙の準備を一方的に進めていることについて、反政府勢力の反発を招き難航している交渉に一層の悪影響を及ぼすと、強い懸念を示しました。報告後、ブラヒミ特使は記者団に対し、「今後の交渉で少しでも実質的な進展があるよう、安保理各国の協力を求めたい」と述べ、ウクライナ情勢などを巡って欧米とロシアが対立を深めるなか、国際社会が一致してシリア内戦の終結に協力するよう求めました。
シリアでは、一連の混乱が始まってから間もなく３年を迎えますが、シリアの人権団体によりますと、これまでに１４万人以上が死亡しています。
