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ウクライナ:飛び交う陰謀説…先月の銃撃事件 - 毎日新聞

 旧野党勢力の一大拠点である独立広場では、2月18〜20日に治安部隊と激しく衝突。周辺からの銃撃で90人近い犠牲者が出た。大多数は反政府デモの参加者だったが、治安部隊側にも犠牲者が出た。ヤヌコビッチ政権の崩壊後、新政権は治安部隊による銃撃とみて調査に乗り出したが、「旧野党勢力による自作自演」などとするロシアメディアの報道をきっかけに、事件は政治的な陰謀説に傾く。


 「新政権側の誰かが事件の背後にいるとの見方が強まっている」。エストニアのパエト外相が2月26日に欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表に電話で話した内容がリークされると、ロシアは「そんな議会(新政権)にウクライナの将来を決める正統性があるのか」(チュルキン国連大使)などと反ウクライナキャンペーンを展開した。


 一方、ウクライナのアバコフ内相も3月4日、デモ隊と治安部隊の衝突に「ウクライナ以外の第三者が介在していた」(インタファクス通信)として、ロシアの介入を強く示唆。ムシイ保健相はAP通信の取材に、デモ隊と治安部隊を挑発し、流血の事態を招いたのは「旧政権の一部だけでなく、ロシア特殊部隊の仕業でもある」と語り、非難の矛先を旧政権からロシアへ移した。


 互いに陰謀説を唱え合うロシアとウクライナだが、その根拠は「デモ隊と治安部隊が同じ銃弾で狙撃された可能性が強い」という点で一致する。違いは動機だ。ロシアは、野党勢力が味方(デモ隊)を撃つことでヤヌコビッチ体制への憎悪を増幅しようとしたとみる。一方、ウクライナ側は、ロシアが無差別発砲でデモ隊と治安部隊の衝突を収拾不可能な状態に追い込み、介入の口実にしようとしたと疑う。いずれの主張も政治的思惑に基づくもので、事実の立証には程遠い。


 事態を複雑にさせたのが、ウクライナの治安機関を長年支えてきたモスカル前安全保障局次長の発言だ。局員に対してデモ参加者を装って当時の与党・地域党の事務所に放火する一方、治安部隊も狙撃するよう指示があった、と地元紙などに証言。衝突をエスカレートさせ、独立広場のデモ隊の強制排除を正当化しようとしたという。モスカル氏は、政変後に姿をくらませたザハルチェンコ前内相だけが銃撃命令を出せる立場にあったと指摘し、ロシアの関与を事実上否定した。


 一方で今月12日には、安全保障局のヤキメンコ前局長がロシアの国営テレビで、新政権の国家安全保障・国防会議のパルビー事務局長が銃撃に関与したと語った。米情報機関とつながりがあるパルビー氏が、ヤヌコビッチ前大統領とロシア、EUの接近を嫌う米国の意向でデモ隊と治安部隊を攻撃し、旧政権を崩壊に導いたという。当事者総出の陰謀論は止まらない。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140314#1394794123(Nuland > Blackwater)