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【キエフ発】「日本のウクライナ支援1500億円」は東電に金を注ぐようなもの

 特筆すべきはヤヌコビッチ氏が大統領就任中の4年間に国家財政(年間)を上回る金品を懐に入れたことだ。


 ウクライナの国家予算は推定で1千億フリブナル(100億ドル)。これに対してヤヌコビッチ前大統領が国家から掠め取った金品は1200億フリブナル(120億ドル)だ。


 ウクライナの国家予算をめぐる本当の数字は明らかにされない。明らかにすると国家が破たんしていることが白日の下にさらされるからだ。


 ウクライナは国家財政の半分にあたる500億フリブナル(50億ドル)が閣僚など政治家への「お手当て」に消える。問題はこの構図が、新政権になっても変わらないことだ。

 農業を除けばさしたる産業もなく、チェルノブイリ原発事故処理の負債に苦しむ。ウクライナがそれでも何とか持ちこたえていたのはロシアの経済協力があったからだ。ロシアとの関係悪化で今後はそれもなくなる。国内政治は腐敗を極める。


 「ウクライナは破たんしている」。ある大学准教授は指摘する。「アメリカもEUもいずれ手を引く」。彼は続けた。


 ウクライナへの援助は東電にカネを注ぎ込むのと似ている。ウクライナを東電状態にしてしまったのは米国とEUだ。