3月のユーロ圏失業率は11.8%、高水準続く | Reuters
欧州連合(EU)統計局が発表した3月の失業率は11.8%となり、前月と変わらずだった。1年前に記録した過去最悪の12%レベルは小幅ながら下回ったが、依然として歴史的高水準で高止まりしている。
欧州の家計は域内の経済回復の恩恵を受けておらず、短期的に成長が加速する可能性は低いとみられる。
失業率は変わらずだったが、失業者数は1891万人と前月から2万2000人減少した。
国別ではオーストリアとドイツが約5%となった一方、イタリアは約13%、スペインは約25%だった。クレディ・アグリコルの上級ユーロ圏エコノミスト、フレドリック・ドクロゼット氏は「域内の格差は引き続き非常に大きい」と指摘した。
ユーロ圏では2年間のリセッション終了後、新規受注の増加により製造業などを中心に景気が回復し始めている。ただ、ユーロ圏のインフレ率は欧州中央銀行(ECB)が「危険領域」とする1%を下回っており、デフレの懸念も表面化している。