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【自作再訪】半藤一利さん「日本のいちばん長い日」 歴史の「ウソ」常識で判断 - MSN産経ニュース

 この本を書く少し前に、「史上最大の作戦」というノルマンディー上陸作戦を描いた米国の映画が話題になりましてね。その原題が「ザ・ロンゲスト・デイ(いちばん長い日)」。タイトルはそこから拝借しました。対象を1日に絞り込んで書くと、すごいドラマが生まれるだろうというのは、この映画で得た発想です。

 一口に国を愛すると言っても、いろんな人がいろんな愛し方をするわけです。ただ最も危機的な状況にあって、一つの重大事が決定されるとき、人間としてどう動くかというのは、はっきり出てくると思いますね。

 この本でも何十人という人に取材しましたが、食い違う証言はたくさん出ます。そういうときは、若いころ師事した作家の坂口安吾の「歴史というのは、一つの資料がすべてを語っていることはない。かすかでも別のことを語る資料が残っていたら、その間で何があったかは、常識で判断するしかない」という言葉に従いました。

 現代への教訓? 戦争は始めるのは簡単だけど、終わりにするのは大変。この一言に尽きます。あの時はたまたま昭和天皇という冷静な人がいて、鈴木貫太郎首相、阿南惟(これ)幾(ちか)陸軍大臣といういい役者がそろっていた。それで初めて終戦があり得たわけで、普通は、こううまくはいかない。だから戦争というのは、単純にけしからんからやっちゃえ、で始めるもんじゃないんだよ、と。