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グロース氏:ニュー・ニュートラル時代の投資の鍵はインカム - Bloomberg

景気を刺激も抑制もしない中立の金利が従来よりも低いニュー・ニュートラルの時代には、資産価値の変動も従来よりも小さく、それによる投資利益も小さくなる−。このような時代に投資家は備えるべきだと、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏が指摘した。


同氏はPIMCOのウェブサイトに掲載した月次投資コメントで、「利回りが人為的に低く抑えられているにもかかわらず、キャピタルゲインではなくインカムゲインが投資利益の中心となる時代が来ようとしているのかもしれない」と書いている。


債券ファンド最大手のPIMCOは、米金融当局が量的緩和(QE)策としての債券購入を減らすに伴い資産価格の上昇が鈍化するとみている。グロース氏は「QEが少なくとも米国では、11月初めには政策の選択肢として存在しなくなることを、投資家は認識しなければならない」とし、「株式相場の上昇ペースは大幅に減速するだろうし、信用スプレッドの縮小は止まるだろう」と書いている。


今年1−6月にはブルームバーグ米国債指数 が3.1%上昇、ブルームバーグ先進国国債指数 は5.1%上昇。1日に過去最高値を更新したS&P500種株価指数は、年初来6.8%上昇している。


PIMCOは金融危機後、それまでの平均よりも低い経済成長の時代を「ニュー・ノーマル」と命名した。ニュー・ニュートラルの金利についてグロース氏はウェブサイトで、各国・地域にはそれぞれの「ニュー・ニュートラル」政策金利があるだろうが、それは「歴史的な中立の金利の水準よりも低くなるだろう。世界は以前よりもレバレッジが高いからだ」と書いている。

PIMCO | Investment Outlook - One Big Idea

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140621#1403347994


What You Don’t Know About Long Bonds | Institutional Investor


PIMCO | Investment Outlook - 携帯電話の中の時間(そしてマネー)

これまで、イエレン議長を始め歴代のFRB議長は、様々な要因を基に適切な金利をモデル化しようとしてきました。2005年に、当時サンフランシスコ連銀総裁であったイエレン議長は、「調査によると、中立実質金利は、財政政策スタンスや世界経済のトレンド、住宅価格の水準、株式市場、イールドカーブの傾斜など、さまざまな要因によって決まるものであり、時間経過と共に変化する」と述べています。


こうした理論に異を唱えようとは思いませんが、この発言からはFRBが選好する定量モデルにうまくあてはまらない2つの重要な「構造的」要素が除外されていると思えます。その1つとして、「ニュー・ニュートラル」は、トレンドを形成する実質成長率によってかなりの部分が決まるとの認識であり、人口構成の変化とテクノロジーの進歩により、実質成長率には、労働力の拡大ペースの鈍化と労働参加率の低下から生み出される逆風が吹き付けています。GDP成長率が、労働力の伸びと生産性によって決まるとすると、近年発生した重大な変化により、ローバックおよびウィリアムズ両氏の研究から窺えるように、「ニュー・ニュートラル」な水準は1%以上、低下したと考えられます。


しかし、それ以外に、イエレン議長やその他の中央銀行高官が、少なくとも公には認めようとしないもう1つの要素があります。それは中立実質金利が金融システムのレバレッジに左右されるという、ミンスキー的概念です。過去にこうした状況が見られたケースが限定的であることと、「テイラー・モデル」にフィットする的確なデータ項目がないため、この概念は数理モデルに上手く適合しないのです。

この他にも、「ニュー・ニュートラル」に導かれ、今後の政策金利が極端に低くなると考えるべき、私自身が考案したもう1つの考え方があります。リーマン型の激震を回避するためには、常識的に言って、金融に対する依存度が高く、レバレッジが高水準な経済ほど、低い実質金利が必須と思えます。マネーの価格が経済繁栄の基盤であり、先進国経済でそうした色彩が一段と強まっているとすると、中央銀行は繁栄を維持するため、そのコストを引き下げ、低水準に維持することが必要です。では、どれほど低くすることが必要なのでしょうか。その答えは歴史にあるかもしれません。同じようにレバレッジ水準の高かった1945〜82年の平均実質政策金利は、米国が-31bp、英国が-133bpでした。欧州の他の先進国や日本などはさらに低い水準でした。こうした統計は、2011年に発表されたカルメン・ラインハート教授の共著論文『The Liquidation of Government Debt』からお借りしたものです(この論文は以下のウェブサイトで閲覧可能です。:http://www.nber.org/papers/w16893)。


レバレッジが高いと金利が低くなるという常識に合致した相関を実際に見ることのできた直近の例が、過去数十年間の日本です。日本の「ニュー・ニュートラル」実質金利は若干のプラスとなっていますが、この原因は意図しないデフレによるものであり、日銀が正常な政策金利をゼロ%近くに維持することを嫌ったからではありません。米国であれ、その他多くの途上国であれ、レバレッジが過大であれば、政策金利は著しく低くなります。それがニュー・ニュートラルであり、実質政策金利は0〜0.5%になります。投資家はそれに慣れることが必要であり、できることなら、そこから利益を得たいものです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140627#1403866558
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140612#1402570138
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140610#1402397239
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140321#1395398409
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140107#1389091667