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昭和天皇 知られざる幼少期の逸話も NHKニュース

このうち初めて公開された学習院初等学科4年生の時の作文では両親の大正天皇貞明皇后が運動会を見に来たことについて「おもう様とおたた様とが午後一時にいらつしやつて下さいまして私は大そううれしく思ひました」と感想を述べ、「三等賞のめたる(メダル)を取つた時は大そううれしうございました」とつづっています。
天皇家の慣習で親元を離れて育てられた昭和天皇が、9歳の頃、両親に出した絵はがきでは、「毎朝すこしおさらひをしてそれから山や野原などへあみを持って蟲(むし)とりにでゝ(でて)うんどうをします」と日々の様子が書かれています。
一方、5歳の頃、教育係の職員から「此やつ」(こやつ)「ヤイ」「ウン」といったことばづかいを注意されたり、物を壊すのが好きで、祖母からもらったゾウのおもちゃを壊して側近に諭されたりと、昭和天皇のやんちゃな一面をうかがわせるエピソードもありました。また、両親からクリスマス・プレゼントとして靴下に入ったおもちゃをもらったという記述もあり、戦前から皇室にクリスマスの習慣があったことが分かります。
幼い頃から研究熱心だったことを示すエピソードもあります。
8歳の頃、貝殻の採集が好きで、集めてきてはきちんと分類したとされるほか、9歳のとき、両国国技館を訪れた際には力士の年齢や身長、体重などを基に取り組みの結果を予想しながら熱心に相撲を観戦したということです。
イソップ物語にちなんで自分でも「裕仁新イソップ」と題して、魚や動物が登場する物語を作ったことも記されています。
昭和史に詳しい作家の半藤一利さんは「昭和天皇の幼少期の記録は今まで見たことがなく、貴重だと思う。子どもの時から相撲がこんなに好きだったのかとか、こういうふうにして人格が形成されていったのかと大変納得がいく」と話しています。
皇太子時代の19歳のときに、初めての海外となるヨーロッパを歴訪したことも詳しく記述されています。
イギリスでは、国王ジョージ五世と当時、社会問題になっていた炭鉱労働者のストライキなどについて話したり、ケンブリッジ大学立憲君主制についての講義を受けたりしたほか、70センチを超えるサケの大物を釣り上げたということも書かれています。
フランスのパリでは、エッフェル塔に登ったり、お忍びでパリ市内を散策して両親へのお土産にカフスボタンや首飾りを買ったりしたということで、昭和天皇がパリで乗った地下鉄の切符を生涯大切に取っておいたという逸話も紹介されています。
一方、第一次世界大戦の戦場の跡を視察し、戦争で家族を亡くしたとみられる女性が遺骨を集める姿などを見て「戦争というものは実に悲惨なものだ」との感想を漏らしたと記録されていて、昭和天皇がこの訪問を通して世界平和の重要性を強く認識したことがうかがえます。
近現代史が専門の京都大学伊藤之雄教授は「世界平和とか国際協調という方向に向けて日本を国際社会のなかで発展させていこうという確信を昭和天皇は持ったと思う。しかし、軍部が言うことを聞かず戦争への道を進めていき、昭和天皇が非常に苦しんだことが実録では記されている」と指摘しています。

NHK NEWS WEB 昭和天皇の姿 浮き彫りに
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