11日までの2日間、中国の北京で開かれていたAPECの首脳会議は、域内で貿易の自由化を進める構想、FTAAP=アジア太平洋自由貿易圏を「可能な限り早期に実現する」とした首脳宣言を採択して閉幕しました。
この構想を巡っては、アメリカが主導するTPP=環太平洋パートナーシップ協定を土台に議論したくない議長国・中国が、別の枠組みとして位置づけようと、構想を実現する期限を明記するよう求めていましたが、日米が反対したことで期限は盛り込まれませんでした。
一方、中国は、APECの期間中、韓国との間でFTA=自由貿易協定の交渉を実質的に妥結させたと発表し、素早い「政治決断」をアピールしました。
日本が参加するTPPは、今回のAPECに合わせて首脳会合が開かれましたが、焦点となっていた交渉妥結の目標の時期について、日米両国と新興国などの間で折り合いはつきませんでした。
アジア太平洋地域の貿易自由化を巡って日米両国と中国との間の主導権争いが鮮明になり、日本の通商戦略は岐路に立たされています。