演劇:宝塚歌劇団花組「エリザベート−愛と死の輪舞」 明日海、妖しい美しさ=評・小玉祥子 - 毎日新聞
エリザベートは因習にとらわれた宮廷で、皇太后ゾフィー(桜一花)らの守旧派とぶつかりながら自我を通そうとする。信じていた皇帝の裏切り、息子である皇太子ルドルフ(芹香斗亜、柚香光のダブルキャスト)の自死など多くの試練が彼女を襲う。
死を人格化したトートを配すことで彼女の心の揺らぎが浮き彫りにされ、2人の姿をルキーニに俯瞰(ふかん)させることで帝国を統治するハプスブルク家を取り巻く社会情勢が明らかになる。巧みな構成だ。