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焦点:ロシア飲み込む原油「震源」の危機、高まる世界連鎖リスク | Reuters

原油安と欧米のインフレ低下を震源とする市場の混乱は、今やロシアを飲み込もうとしている。近年の金融危機においては、世界市場の相互依存が高まった結果、ある場所で「地震活動」が発生すると他の場所にも瞬時に影響が広がることが多い。


その意味で、今回のケースでも、世界的な負の連鎖につながるリスクがあるといっても過言ではない。


連鎖反応が起こる理由の一つには、ファンドマネジャーの行動がある。危機に見舞われた市場で被った損失をカバーするために、ポートフォリオの中で収益性の高い資産の売却に迫られることがあるからだ。


今週見られたロシアの通貨と株式、債券の急落は、地球の裏側のクレジット市場にも波及。米ハイイールド債からノルウェークローネ、スロベニアの製薬会社の株式まで、幅広い資産の価格にも影響が及んだ。


多くの資産クラスで市況が悪化、ビッドとオファーのスプレッドも拡大し、流動性が逼迫した。トレーダーは、米国債や主要国の株価指数など流動性が最も高い市場でも影響が感じられたと報告している。

一方、原油価格が急落したこの6カ月は、先進国市場でストレスが高まった時期と重なる。主要国通貨のほか、最も安全性が高いとされる米国債市場.MERMOVE1Mでもボラティリティーの急上昇が観測された。


また、世界3大中銀の金融政策の方向性をめぐる市場の予想が、大幅に変化した時期と重なっていることも、偶然とは言えないだろう。


投資家は、欧州中央銀行(ECB)と日銀の金融政策について、2014年上半期に織り込んでいたよりもさらに積極的な緩和を実施すると予想し始めている。一方、原油価格の下落を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期をめぐる市場の不透明感が増している。


つまり現在のボラティリティーの高さは、原油に依存しドルとの連動制が高い新興市場だけが原因なのではなく、先進国の問題でもある。


ソシエテ・ジェネラル新興市場戦略責任者、ベノイト・アン氏は「新興市場の危機であると同時にG10の危機でもある」と語った。