ECBの量的緩和、ドイツ連銀総裁が効果に疑念を表明 | Reuters
ドイツ連銀のワイトマン総裁は、欧州中央銀行(ECB)が決定した債券買い入れプログラムの効果について疑念を示した。25日付の独紙ウェルト日曜版に対し、この措置に反対票を投じたことを明らかにし、欧州の景気低迷は主に一部の国で見られる高水準の債務や競争力の欠如が要因と指摘した。
総裁は「効果を予測するのは困難だが、おそらく欧州では米国と比べて小さいだろう」と発言。2008年の世界的な金融危機を受けた米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和(QE)に言及した。
「米国が(QEを)開始した際の金利水準ははるかに高かった。それに加え、米企業は資金調達のために資本市場を多く利用しており、中銀の買い入れプログラムは、銀行を通じた資金調達が多い地域と比べて直接的な効果がはるかに高い」と指摘した。
ワイトマン総裁は24日付のビルト紙でも、ECBの措置について懸念を表明。イタリアやフランスに対する改革圧力を弱めるものと指摘していた。
ECBの決定はドイツ連銀がECBの「ロールモデル」でなくなったことを意味するかとのウェルト日曜版の質問には「大げさに歴史的な転換だとは言わないが、私にとって憂慮すべき決定だ」と語った。
また、ECBの債券買い入れは「(ユーロ圏にとって)欠点とリスク」を伴うため「金融政策の正常な手段ではない」とし、これが反対票を投じたもう1つの理由だと説明した。
総裁は「インフレ率は確かに非常に低い水準だが、原油安によって押し下げられてきた。非常に低いインフレ率が一時的な現象にすぎないことを示す兆候はたくさんある」とした。