ウクライナのポロシェンコ大統領は13日、同国は和平にはなお程遠く、前日の停戦合意が実行されるという保証はないとの見解を示した。
軍事訓練場を視察の際に大統領は、「誰にも幻想を抱いて欲しくはない。われわれは和平にはなお程遠い」と述べた。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアとウクライナ、それに調停役となったドイツ、フランスの4か国による首脳会談を受けて、ウクライナ政府と親ロシア派が今月15日からの停戦などで合意しています。
この停戦合意についてウクライナのポロシェンコ大統領は13日、軍の施設で演説し「期待を抱かせるが、現状は和平からほど遠く、合意内容が守られることに誰も確信は持てない」と述べ、15日からの停戦合意の発効に慎重な姿勢を示しました。
一方、親ロシア派の後ろ盾となっているロシアのペスコフ大統領報道官は、国営通信とのインタビューで「ロシアは戦闘に参加しておらず、停戦合意を守る立場ではない」と述べ、ロシア軍の派遣など戦闘への関与を改めて否定しました。
ウクライナ東部では、12日に停戦で合意したあとも激しい戦闘が続いており、ウクライナ軍は、「親ロシア派は、停戦合意が発効するまでの間に交通の要衝や工業都市を制圧しようとしている」と非難しています。
これに対して親ロシア派は、「政府軍側に、停戦合意を守る姿勢が見られない」としており、実際に停戦合意が守られるかは予断を許さない状況です。