E.H.カーは『歴史とは何か』岩波新書で「歴史とは現在と過去との対話である」という言葉を幾度も使用しているでござる。これは過去の歴史というものは、現代の歴史家の未来意識により規定され、またその逆でもある双方向的なコミュニケーションということでござる。極めてアクチュアルでござるね。
歴史哲学という学問分野があるでござる。歴史学が「史実」を探求しそれを実証的に積み重ねであるのに対し、歴史哲学はそもそも「史実」とは何かを疑い、歴史家の主体性と問題意識の「史実」への関わりを問題とするメタ学問でござるよ。歴史哲学の名著では『歴史とはなにか』岩波新書があるでござるよ。