https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

焦点:東南アジアに押し寄せる金融緩和の波、次はタイ中銀か | Reuters

世界の中央銀行が相次ぎ金融緩和策を打ち出す中、東南アジアの中銀も遅ればせながら緩和ラッシュに参入し始めている。強まるデフレ圧力が、資金流出への防衛を弱めることなく経済成長を下支えする余地を生み出している。


インドネシア中銀は17日に予想外の利下げを実施。シンガポール中銀も1月に金融政策を緩和した。3月には、タイ中銀が利下げに踏み切るとの臆測が広がっている。ただ、マレーシアとフィリピンが向こう数カ月の間に緩和策を発表する可能性は低そうだ。

インドネシア中銀による利下げ発表前の市場の見方は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが予想されていることも踏まえ、金融緩和が資金流出を誘発しかねないとの懸念から、東南アジアは世界的な緩和トレンドに仲間入りすることはないというものが大半だった。


しかしインフレ低下や、実質金利上昇が経済成長をさらに悪化させる可能性があるため、一部の中銀は政策見直しを余儀なくされている。

タイ中銀は、インドネシア中銀に続いて利下げに踏み切る可能性が最も高いとみられている。タイ経済はクーデターの影響で悪化し、デフレ状態に陥っている。2014年の成長率は0.7%と、3年ぶりの低水準となった。ただ中銀は、軍事政権の歳出拡大による経済活性化を期待している。また、借入コストがさらに低下すれば信用バブルを膨張させる可能性があると懸念している。家計債務は国内総生産(GDP)の85%に相当する。

東南アジアで高い経済成長率を誇るマレーシアとフィリピンについては、利下げ実施には時間を要する可能性があり、利下げが行われない可能性もある。フィリピン中銀はインフレが加速した2014年に利上げを実施。アナリストらは、ディスインフレを受け、中銀は年内は金融政策を維持する可能性があるとみている。


フィリピン中銀のギニグンド副総裁は、インドネシアの利下げが自国の政策に影響を及ぼすかとの質問に対し、金融政策は「隣国の政策」ではなく国内の要因に基づき決定すると述べた。


フィリピンの2014年第4・四半期のGDPは前年比6.9%増で、好調な民間消費と輸出が成長を支えた。


ギニグンド副総裁は、フィリピン経済は引き続き堅調で、追加の刺激策は必要ないとの見方を示した。さらなる景気支援が必要な場合は、政府が財政刺激策を実施することが可能とした。

半面、マレーシアの成長見通しはそれほど明るいものではない。


昨年6月の水準から約50%下落した原油価格は、原油の純輸出国であるマレーシアの経済に悪影響を与えている。第4・四半期のGDPは前年比5.8%増となったが、高成長が長く続く可能性は低いとされている。


ただ、マレーシアの政策金利が2008年以来の高水準にあるにもかかわらず、エコノミストは中銀が直ちに利下げに踏み切ることはないとみている。


家計債務はGDPの87%に相当し、2014年半ばから10%下落した通貨リンギは製造業の輸出を支援しているが、中銀は利下げが資金流出を引き起こす可能性もあることから、慎重姿勢を崩していない。


1月のインフレ率は1.0%に低下し、2009年末以来最も低い水準となった。


マレーシア中銀の次の一手をめぐっては多くの異なる見方が存在するが、大半は年内の政策金利変更はないとみている。