今週のBHのセミナーは、ペトルス・ロンバルドゥスの『命題集』についてです。先週のアウグスティヌスの議論は、とても白熱していたのだけれど、今週も熱そう。>RT
BHセミナーで取り上げる『命題集』(第二巻)のテクストの部分の冒頭部。
今のテクストは、以下のアドレスで本ごとダウンロードできます。
http://daten.digitale-sammlungen.de/bsb00038309/image_186
晴天、めずらしい。移動日が陽光に溢れていると嬉しい。電車のなかで、セミナーのために『命題集』の人間の創造の部分を読みました。ロンバルドゥスは不思議な魅力があります。
命題集 (ペトルス・ロンバルドゥス) - Wikipedia
『命題集』は、ヒエロニムスによってラテン語に訳された聖書(ウルガータ聖書)を用いて講義を行った教師たちによる注釈集(聖書に対する説明・解釈)を先駆者とする。注釈は文法や統語構造に関するものであるか、もしくは教義の中で幾分難しい点に関するものであった。しかし、これらの注釈集は包括的なものではなく、むしろ聖書自体の行間や余白に書き込まれる類のものであった。ロンバルドゥスはその上を行き、様々な出典(聖典、ヒッポのアウグスティヌスその他の教父など)から記述を集めて、全体として首尾一貫した一つの書物にまとめた。
中世の神学・哲学に対する『命題集』の重要性はかなりの程度、本書が神学的・哲学的議論に対する総体的な枠組みを提供したことにある。トマス・アクィナス、オッカムのウィリアム、ボナヴェントゥラ、ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスといったスコラ学の偉大な思想家は皆『命題集』の注釈書を書いている。しかしそれらは正確には「注釈書」とは言えない、というのは『命題集』は様々な出典からの記述を集めたものであって、ペトルス・ロンバルドゥスは多くの問いを解決しないまま残しており、これに対して後の時代の学者たちは独自の解答を提出する機会を得ているからである。