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焦点:スイス中銀閉鎖性に批判広がる、「3人で政策決定」妥当か | Reuters

集中砲火を浴びているのは、スイス中銀の閉鎖的な意思決定の仕組みや、独特のオーナーシップ(出資)構造だ。

今年は選挙の年ということもあって、中銀への圧力が一段と強まることが予想される。スイス社会民主党(SP)は、SNBの政策理事会がたった3人で構成されていることについて、不透明な政策決定につながっている、として問題視。議会で取り上げるよう求めている。


SPの議員は先週、理事の1人と会見したが、満足の行く回答は得られなかったようだ。スーザン・ロイテンエッガー・バーホルツァー議員はロイターに対して「スイスの運命に対して、3人の人間が政府よりも大きな影響力を持つというのは、おかしいのでは」と訴えた。

スイス中銀がフラン上限を撤廃したことを受けて、フランは急伸し、欧州への輸出に大きく依存しているスイス経済は大打撃を受けた。


スイス中銀は物価安定維持という責務を負っており、ウェブサイトでは「経済成長を実現するため適切な環境を整備する」とうたう。景気低迷が長引けば、スイス中銀の手腕への信頼感がますます低下しかねず、政治家からの批判を無視することも一層難しくなるだろう。

批判の対象になっているのは、スイス中銀の政策決定の仕組みだ。


米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバー12人が金融政策を決定する。イングランド銀行は9人、欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏各国の中銀総裁19人を含む25人が政策決定を行う。


それに対して、スイス中銀の政策理事会を構成するのは、たったの3人だ。全員が似たような職歴を持っていることから、活発な意見交換ができないのではないか、と懸念する見方もある。


もう1つの問題点は、スイス中銀には同国の州が出資しており、州が中銀の利益を分け合うという、スイス独特のオーナーシップ構造だ。


フラン上限を維持すればスイス中銀のバランスシートに損失が発生する恐れがあった。通常は中央銀行にとって問題とはならないが、スイスの場合には、中銀から移転される資金に依存する州を怒らせる可能性がある。

フラン上限の再導入を主張する向きも一部にはあるが、現実的ではない。結局のところ、欧州経済が回復してユーロが上昇するのをじっと待つ以外に、有効な選択肢はなさそうだ。ビジネススクールIMDのファイナンス教授、アトゥーロ・ブリス氏は「スイス中銀の評判をこれ以上、傷つけないようにするためには、これが唯一の道」と語った。