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山本芳久

岩下壮一『信仰の遺産』(岩波文庫)の特徴の一つは、1960年代の第二バチカン公会議以後ではあまり見受けられないほどに、プロテスタンティズムに対する論争的な態度が顕著に現れてることです。カトリシズムに好意的でない方にとっても、その本音がどんなものであるのかを知るのに最適とも言えます

松井一郎

カトリック信仰の根拠は、常にそれが「真理なるが故に」という一点に存する。彼は決して、それが単に「人間の心情的要求を満足せしむるが故に」とは云わない」(岩下壮一「カトリック的宗教態度」1)