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焦点:北朝鮮の変化象徴する「ノートテル」、情報統制に風穴か | Reuters

都市部では約半数の世帯に普及している。ノートとテレビを掛け合わせた造語「ノートテル」と呼ばれる同プレーヤーは、サイズが小さいため簡単に隠しておくことが可能。市民らは、政府が視聴を禁じている海外の映画やテレビ番組などを、違法に流通するDVDやUSBメモリーなどでひそかに楽しんでいるという。

北朝鮮では、以前に比べると市民が自由に支出するようになっており、当局が厳しい経済統制を一部で緩めている兆しもある。過去数カ月では、顕示的な消費傾向も強まっているという。


平壌を定期的に訪れるという人物は匿名を条件に、「地元市民がお金を使える場所は種類も数も本当に増えた。以前に比べ、人々は消費することに自信を強めているように見える」と話した。何のためらいもなく500ドルの携帯電話を買う人もいるという。


しかし、北朝鮮政権が大幅な改革を目指している兆候はなく、外部世界との関わり方を変えているようにも見えない。


とはいえ、所得の上昇に伴い、北朝鮮国内でも流通する商品が増えているのは間違いなさそうだ。その多くは闇市場で取引されているが、一部は国営の店舗でも売買されている。

韓国ソウルで脱北者が運営するニュースメディアによると、北朝鮮当局は昨年、個人のノートテル使用を許可した。


しかし、海外コンテンツを頻繁に視聴している人物を特定しやすくするためか、使用が認められているのは当局に登録されたノートテルに限られている。


ノートテルは基本的に中国製で、北朝鮮には密輸されたか、合法的な輸入で持ち込まれたものだ。


脱北者のリ・ソキョン氏は、昨年に中国から1万8000台のノートテルを密輸したと証言。中国の広州にある工場に直接発注しているが、その工場は北朝鮮市場の需要に応えるためだけに現在もまだ稼働中だという。


中国のネットショッピングサイト「淘宝(タオバオ)」のデータによると、ここ何年かで中国国内では人気のなくなったノートテルだが、北朝鮮と国境を接する各省では、まだ売れ行きが好調だという。

ノートテルは1990年代後半のポータブルDVDプレーヤーとは異なり、USBやSDカードのポートがあり、テレビやラジオのチューナーも内蔵している。自動車のバッテリーで充電することもできるが、これは慢性的に電力不足に陥る北朝鮮では欠かせない機能だ。


韓国の北朝鮮専門ネット新聞「デイリーNK」によると、当局に登録するノートテルは、国営放送の受信しかできないようチャンネルを固定しなくてはならない。


ただ、前出の脱北者は、ノートテル自体が多機能であり、ユーザーの違法コンテンツ視聴を完全に防ぐのは難しいと指摘。「人々は捕まるのを避けるため、北朝鮮のDVDをプレーヤーに入れつつ、すぐに取り外せるUSBスティックで韓国ドラマを見ている」という。

脱北者支援団体LiNKの幹部パク氏は、ノートテルが北朝鮮でここまで人気になったのは、「外国メディアを視聴する際の2つの壁、つまり監視と停電を乗り越えるのに最適な機器だったからだ」と語った。