米FRB議長、年内の利上げ開始示唆 金利正常化は段階的と強調 | Reuters
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は27日、FRBとして金融緩和の解除開始を真剣に検討しており、年内の利上げが正当化され得ると表明、インフレや賃金動向が健全なペースに復帰せずとも年内に利上げを開始する意向を示唆した。同時にコアインフレや賃金の伸びが下振れれば、据え置きを迫られる可能性もあるとしたほか、利上げ後も金利の正常化は段階的な道のりにとどまると強調した。
議長は、サンフランシスコ地区連銀主催の金融政策に関する会議で講演。インフレが2%目標に近付くまで利上げを見送るのは賢明でないとの考えを示唆した上で、利上げ開始後も段階的な金融引き締めが正当化される可能性が高いとした。また入手可能な経済指標がFRBの見通しを裏付ける内容でない場合、政策の道筋は調整されることになるとの見方を示した。
その上で「経済状況が引き続き改善すれば、年内に政策金利の誘導目標レンジを引き上げることは正当化され得る」と言明した。
また利上げのタイミングや道筋は入手可能な経済指標内容に拠るとし「政策の実際の道のりは経済状況に応じて変化する。実質的な経済活動およびインフレの実際の動きやおよびその見通し次第で、政策の引き締めは加速したり、減速したり、停止したり、あるいは逆戻りする可能性がある」とした。
アメリカのFRBは、3月中旬の金融政策を決める会合で、6年以上続けている異例のゼロ金利政策の解除について「雇用改善や物価の上昇が確信できれば利上げする」という新たな方針を示し、ことし6月以降の会合で利上げを判断していく方針を示しました。
これに関連して、FRBのイエレン議長は27日にサンフランシスコで講演し、「私もほかの多くの同僚も、いまはまだ利上げの時期には到達していないが、年内には可能になるとみている」と述べ、景気の回復が順調に進めば、年内に利上げに踏み切る見通しを示しました。
またイエレン議長は、FRBがいつ最初の利上げに踏み切るか、その時期に関心が集中していることを踏まえ、重要なのはどのようなテンポで金利を引き上げていくかだという考えを示しました。そのうえで、イエレン議長は「金利の引き上げは、向こう数年かけてゆっくり行っていく」と述べて、利上げのテンポを急がず、景気回復の勢いを損なうことがないよう慎重に対応していく考えを強調しました。
イエレン議長のこの発言は、FRBの大きな政策転換に当たる利上げの判断が近づくなか、市場に安心感を与えようというねらいもあると言えそうです。
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