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焦点:欧州で失せるギリシャへの共感、「チプラス流」に幻滅も | Reuters

今年1月末のギリシャ総選挙で政権の座に就いた急進左派連合(SYRIZA)の党首アレクシス・チプラス氏(40)。チプラス首相は欧州左派全体の象徴にもなったが、政権誕生から約3カ月が過ぎ、欧州内ではSYRIZAや同国への共感が薄らいでいる。

緊縮策の緩和とユーロ圏の成長促進に意欲的だったフランスとイタリアの中道左派政権は、ギリシャ総選挙の結果を「朗報」と受け取った。オランド仏大統領は、「もはや現実は緊縮策に耐えられない」ことをSYRIZAの勝利が明確に示したと語っていた。


しかし、チプラス政権の度重なるイデオロギー的批判や矛盾する発言、機密書類の流出や強情な交渉戦術により、当初は好感を抱いていた多くの欧州当局者や政治家も、今では反感を抱くようになっている。


ある南欧の政府高官は「(ギリシャ総選挙で)過度の緊縮は欧州を過激主義者の手に渡らせると、ドイツにようやく理解させられると思った」とした上で、「しかしギリシャの振る舞いで、誰も彼らとは関係したくなくなった」と語った。


一部の南欧当局者は、ギリシャが債権者との協議でデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱をちらつかせる「瀬戸際戦術」で、混乱拡大のリスクを冒していると非難する。

イタリアのレンツィ首相は、チプラス首相を「恐怖だけでなく、希望のメッセージ」だと持ち上げた。ただその数日後、バルファキス財務相が「現実を直視しよう。イタリアの債務状況は持続不可能だ」と発言してイタリア側の怒りを買った。イタリアのパドアン経済相は、バルファキス財務相の発言を「場違いだ」と批判した。


債務危機で救済を受けた他の国では、SYRIZAへの共感は極左政党に限られており、政界の主流にはチプラス氏の成功を自分たちにとっての脅威だとみる向きもある。


ポルトガルの閣僚の1人は、個人的な見解とした上で、もしギリシャが各種改革でEU/IMFから「譲歩」を勝ち取れば、今年中に行われるポルトガル総選挙で中道右派政権は有権者に顔向けできなくなると語った。


ポルトガルコエリョ首相は、SYRIZAの選挙政綱を「子どものおとぎ話」だと一蹴。同国野党の社会党も、4月に経済政策を発表した際、SYRIZAとは距離を置き、各国の財政赤字と債務残高に基準を設けた欧州の財政規律は全面的に守ると約束した。

スペインでは、1月時点でSYRIZAを自分たちの「鏡」だと表現していた左派新党ポデモスが、チプラス政権の苦労を見て非現実的な公約を静かに撤回しつつある。


2014年1月に結党したばかりの同党は、緊縮策の中止や貧困層に対する電気や食品の無料化などを訴えていたが、現在はデフォルトの主張を撤回し、政策の柱の1つであるベーシックインカムも公的予算の状況が許す場合のみ実施するとしている。


3月にロイターのインタビューに応じたパブロ・イグレシアス党首は、ギリシャの債権団との難交渉で、欧州では経済政策の変更に限りがあることが示されたと認めた。

また、2008年の金融危機以降、痛みを伴う緊縮策を粛々と進めてきたバルト3国には、ギリシャに対する共感はさらに低い。


リトアニアのシャジュス財務相は、ギリシャのデフォルトと債務繰延の脅しは、最低賃金ギリシャの半分であるリトアニアに政治的問題を引き起こしていると指摘。「もし欧州安定機構への返済に適切な対処がなされずに支援金が使われるなら、生活水準に関する重大な問題が持ち上がるだろう。なぜ支援を受ける国よりも(われわれの)最低賃金が著しく低いのかという問題だ」とロイターに語った。


ラトビアも同様に、ギリシャの改革案への譲歩には反対を唱える。同国財務相の報道官は「ギリシャには、救済を受けた他の国と同じ姿勢で臨まなくてはならない」と指摘した。


ラトビアの一般的な市民はギリシャ人に対し、バルファキス財務相が不当だと非難するようなステレオタイプを抱いている。


首都リガで音楽業界で働くソンドラ・レースさんは「ギリシャ人には、いつも太陽を浴びて気楽に構え、仕事をしようがしまいがお構いなしというイメージがある」とコメント。年金の足しにするため警備員として働いているという86歳のペトリス・ルーベンスさんは「ギリシャ人は身の丈以上の暮らしをしてきた。もちろん良い生活を送ってきたのだから、ベルトを締めるときはきついはずだ」と語った。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150508#1431081559
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150427#1430131722