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ダビンチの「糸巻きの聖母」日本初公開へ NHKニュース

「糸巻きの聖母」は同じ構図の油彩画が、ほかにも数多く残されていますが、2点がレオナルド・ダビンチの作品とされています。
このうち、日本での公開が決まったのはスコットランドのバクルー公爵家が所有する「糸巻きの聖母」で縦48.3センチ、横36.8センチの大きさです。
作品の背景は後に別の画家が描き足したとみられていますが、主題である聖母マリアと幼いイエスの姿はダビンチ自身が描いたもので、絵の具を薄く重ね塗りして深みを表現する「スフマート」という技法で描かれた聖母マリアの表情や、幼いイエスの体の躍動感などにダビンチの特徴が現れています。
また、手前に描かれた岩は地質学的に正確な描写がされていて、ダビンチの博物学者としてのこだわりが感じられます。
さらに構図にも象徴的な意味が込められていると考えられています。イエスが手にした「糸巻き」は糸を紡ぐための道具で、これはイエスが世界の運命を紡いでいくことを暗示しているとされています。また、幼いイエスを気遣うように差し伸べられた聖母マリアの右手は将来のイエスの受難を予感させる表現だと言われています。
現在、この作品を展示しているスコットランド国立美術館のエイダン・ウェストン=ルイス主任学芸員は「この絵に込められた象徴性と表現技法はラファエロのような同じルネサンスの偉大な画家にも大きな影響を与えた。細部まで科学的に描かれたこの作品は、自然を研究したレオナルド・ダビンチの芸術の特徴をよく示している」と話しています。