なんだかんだ言って、結局、「我々が大衆を指導してやらなければならない」とか思っちゃうところが知識人のダメなところだよね。ロシア革命の頃から何も変わってない。
知識人がまずすべきことは大衆の声にひたむきに耳を澄ませることだろう。そうすれば、自らの役割も徐々にわかってくるだろう。ということで、知識人が「大衆の中へ」入っていったのがナロードニキ運動だったわけだが、結局は、一部のエリートが大衆を教化・指導すべきだという考えにとって代わられた。
私はラディカル・フェミニズムに限らず、全てのラディカルなものを叩いているので、上野千鶴子が私を敵視するのは事実誤認でも何でもなく、的確であると思っています。むしろ上野の錯誤は、SEALDsを支持したこと。その錯誤をもたらしたのは、パターナリズムと、運動への無知。
「ラディカル」というのは「根本的」といった意味だが、世界の秩序をラディカルに見通すことは、一定の知識と批判的思考さえあれば誰にでもできる。しかし、世界の秩序をラディカルに変えることは、誰にでもできることではないし、ましてやラディカルな知識や思考さえ身につければできることではない。
ラディカリズムが功を奏するとすれば、結局、思想と現実との弁証法にどれだけ耐えうるかなんだと思う。日頃から象牙の塔のなかで自らの「正しい」知識や思考の鍛錬をしては、それらを売り物にして世間を渡り歩いているだけでは、世界の秩序をラディカルに動かすのに必要なだけの耐性は強化され得ない。
上野千鶴子先生の反面教師振りが半端ない。その意味ではむしろみんな感謝すべきなのかもしれない（笑）。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150827#1440671874
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