18世紀フランスの革命家たちは、ヨーロッパの君主制のことを、手の施しようのないほどに政治腐敗にまみれ、正義に欠けるとみていた。この認識ゆえに、国内で過激な措置をとることも正当化されると考えていた。・・・イスラム国も同様だ。
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— フォーリン・アフェアーズ・ジャパン (@foreignaffairsj) 2015, 11月 6
革命国家の歴史とイスラム国 ―― さらなる拡大と膨張はあり得ない
スティーブン・ウォルト ハーバード大学教授(国際関係論)
極端な暴力路線をとり、性奴隷を正当化しているとはいえ、革命運動としてみればイスラム国(ISIS)に目新しい要素はほとんどない。宗教的側面をもっているとはいえ、イスラム国は多くの側面においてフランス、ロシア、中国、キューバ、カンボジア、イランで革命期に出現した体制、国家建設を目指した革命運動に驚くほどよく似ている。そして、歴史が示すところによれば、革命国家を外から倒そうとする試みは、逆に強硬派を勢いづけ、さらなる拡大の機会を与え、逆効果となることが多い。よりすぐれた政策は、イスラム国に対する辛抱強い「封じ込め戦略」を地域アクターに委ね、アメリカは遠くから見守ることだ。無謀な行動はコストを伴い、逆効果であることを誰かが教えるまで、革命国家がその行動を穏健化させることはない。その革命的な目的を穏健化させるか、完全に放棄するまで、イスラム国を辛抱強く封じ込める必要がある。