井山裕太六冠は現在、棋聖や名人、本因坊など、囲碁の七大タイトルのうち6つを保持し、これまで誰も達成したことのない七冠まで、あと「十段」のタイトルを残すのみとなっています。
その十段戦の挑戦者を決めるトーナメントの決勝が、21日、大阪の日本棋院関西総本部で行われ、井山さんは余正麒七段を破り、十段戦への挑戦権を獲得しました。
七冠を達成するためには、このあと、現在保持している「棋聖」のタイトルを防衛したうえで、さらに十段戦で勝つ必要がありますが、今回の挑戦権の獲得は前人未到の七冠に向け大きな一歩となりました。
十段戦は、ことし3月から五番勝負で行われ井山さんはタイトルを保持している伊田篤史十段に挑みます。
対局のあと、井山さんは「七冠に近いところまで来ることができたので、残る防衛戦と十段への挑戦を精いっぱい戦いたいと思います。勝ちたいと思って勝てるものではないので、今までどおり、目の前の1手1局に集中するだけです」と話していました。