これは7日にシャラポワ選手が、アメリカのロサンゼルスで記者会見して明らかにしました。
それによりますと、シャラポワ選手は数日前、ITF=国際テニス連盟から連絡を受け、ことし1月の全豪オープンで行われたドーピング検査の結果、禁止薬物に陽性反応を示したという通知を受けました。
この薬物について、シャラポワ選手はこの10年間、医師から処方され服用していた薬の成分が、ことしから新たに禁止薬物に指定されたことを知らなかったと釈明し、「私は大きな間違いを犯した」と述べました。
違反に対する処分はまだ決まっていないということですが、シャラポワ選手は会見で「私にもう1度チャンスを与えてほしい」と、今後も競技を続けたいと訴えました。
会見のあと国際テニス連盟は、全豪オープン期間中の1月26日にシャラポワ選手から提出された検体から、禁止薬物メルドニウムが検出されたとして、詳しい調査が終わるまでシャラポワ選手に対して、今月12日から暫定的な出場資格停止処分を科すと発表しました。
28歳のシャラポワ選手は2004年のウィンブルドン選手権で四大大会に初優勝し、2012年の全仏オープンで四大大会すべてを制覇する「生涯グランドスラム」を達成しました。
しかし最近は左腕のケガなどに苦しみ、全豪オープンのあとは大会に出場せず、世界ランキングは7位となっていました。
「うっかりドーピング」 未然防止の取り組み進む NHKニュース
WADA=世界アンチドーピング機構は、ドーピング違反となる「禁止物質」を定めた禁止表の改訂を毎年行っています。医科学の進歩でドーピングが巧妙化するなか、競技力の向上につながる薬物が新たに開発・使用されたり、これまで検出が難しかった薬物の新たな分析手法が見つかったりするためで、JADA=日本アンチドーピング機構によりますと、毎年数件の追加や削除が行われるということです。
最新の禁止表はことしの1月1日に発効され、シャラポワ選手が陽性反応を示した「メルドニウム」が新たに追加されました。追加の理由は、「競技力向上の目的で競技者によって使用された事実があるため」と記載されています。
禁止表の変更は、トップ選手については各国の競技団体やアンチドーピング機構などから通知される場合があるものの、基本的に選手自身が、公開されているWADAのホームページなどから情報を入手する必要があるということです。
そのうえで、服用している薬などがドーピング違反に当たらないか、トレーナーや医師、薬剤師などに確認しながら、最終的には選手自身で判断することが求められます。
禁止表によりますと、禁止物質は現在10種類に分類され、筋肉増強剤と呼ばれることもあるステロイド剤などの「たんぱく同化薬」や「興奮薬」、禁止物質の使用を隠すための「隠蔽薬」などが対象となっています。