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 三菱東京UFJ銀行といえば、「国のメーンバンク」を自任し、日銀と財務省との“鉄のトライアングル”によって、長らく国債の安定消化に尽力してきた歴史がある。その三菱東京UFJ銀行が、日銀によるマイナス金利政策の導入以降、態度を豹変させているように市場には映っている。


 驚きを持って受け止められたのは、公の場で三菱UFJFGの平野信行社長が日銀の金融政策に苦言を呈する場面が目撃されるようになったことだ。政策のプラス効果にも言及しながらという両論併記ではあるものの、メガバンク首脳による「マイナス金利政策に伴って、今後の経済に対する個人の先行きの不透明感がなかなか払拭できないと感じている」といった発言は異例だ。


 今回のPD返上も、その流れの中に位置付けて考える市場関係者は多い。


 また、日銀の金融政策に対するメガバンクからの“不信任案”だとする向きもある。「日銀の金融政策が効果を発揮できず、マイナス金利政策が長期化するという読みもあって決断したのではないか」(前出の市場関係者)というのだ。「短期で金利が正常化すると考えられれば、悪目立ちしないためにそれまで我慢しただろう」(同)と考えられるからだ。


 三菱東京UFJ銀行は、今回の一件で「日銀にケンカを売っているわけではない」と主張するものの、メガバンクと日銀の関係悪化を示す状況証拠は散見される。


 象徴的なのは、この6月末に日銀の政策委員会からメガバンク出身者が姿を消すことだ。これは1998年の新日銀法が施行されて以来、初めての事態だ。


関係者によりますと、「三菱東京UFJ銀行」は国債の入札に有利な条件で参加できる「国債市場特別参加者」と呼ばれる資格を国に返上する意向を財務省に伝え、近く、正式に返上する見通しになりました。
この資格は、国が、国債の安定消化を図るため大手の銀行や証券会社に付与しているもので、財務省と意見交換ができる一方、すべての入札で、発行予定額の4%以上の応札が義務づけられます。
三菱東京UFJ銀行」は、日銀のマイナス金利政策の影響で多くの日本国債の利回りがマイナスまで低下し、国債保有が負担になっているとして、資格を返上するもので、国内の大手銀行では初めてとなります。
銀行側では、この特別な資格を持つグループの証券会社に入札の業務を集約することで国債の需給に大きな影響が出ないようにするとしていますが、日銀によるマイナス金利政策の影響は日本を代表する金融機関と国債を発行する国の関わり方にも及ぶ形となりました。

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