満足度が肝心 睡眠に悩む50代が変えるべき「3つの行動」 | 日刊ゲンダイDIGITAL
人間は、年を取ると睡眠時間が短くなる。中高年になると基礎代謝が低下して、日中のエネルギー消費量も少なくなる。そのため、体が必要とする睡眠時間も短くなっていく。また、年を重ねて過去の経験が増えていくと、睡眠中に脳が行っている「記憶を定着させる作業」に費やす時間も短くなる。その分、長い睡眠時間が必要なくなる。
「睡眠を考えるとき、重要な要素が3つあります。①質(深く眠れているか)②日中に眠くならないか(睡眠時間が足りているか)③満足度(本人が納得できているか)です。①と②に問題がない場合でも、本人が納得していない③の状態だと、〈あなたはしっかり眠れていますよ〉といくら説明しても、睡眠の悩みは解決しません。逆に、③さえ満たされていれば、①と②が不十分でもトラブルは解消されます」
中高年の睡眠の悩みは、いかに③満足度を高めるかが重要なのだ。
変えるべき行動は3つ。①早い時間にベッドに入らない②夜中に目覚めても時計を見て時刻を確認しない③早く起きたからといって早く行動を始めない。これを2週間続けると、考え方が変わり、睡眠の満足度も高くなるという。
少しでも長く寝ようとして早い時間にベッドに入ると、逆に寝付けなくて焦り、どんどん眠れなくなっていく。15分眠れなかったら、ベッドから出る。軽くストレッチなどをしながら、眠くなったらベッドに入るようにすればいい。
夜中に目覚めて時計を確認する行動は、覚醒のリズムを早めてしまう。
「脳は、起床する3時間前から覚醒を促すホルモンのコルチゾールを分泌し始めます。夜中に目覚めたときに時計を確認して〈3時に起きてしまった〉という行動を繰り返すと、脳には〈3時に起床する〉というプログラムが組まれ、それに合わせて、コルチゾールの分泌を開始してしまうのです」
早く起き過ぎてしまう人は、睡眠を促すホルモンのメラトニンの分泌が前倒しになっている。
「メラトニンは網膜が光を感知した時点で分泌がストップします。早すぎる時間に目覚めてそのまま日光を浴びてしまうと、脳はその時間が〈朝〉だと認識して、メラトニンの分泌リズムを早めてしまう。早く起きすぎてしまったらベッドから出て、自分が起きたい時間まで、暗い中で過ごす。目標の時間になったら、カーテンを開けて照明をつけるようにしてください」