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米 シリア化学兵器でロシアに支援やめるよう要求 | NHKニュース

アメリカ、ホワイトハウスのアーネスト報道官は、25日の記者会見で、シリアでアサド政権が去年とおととし、化学兵器の一種の塩素ガスを使用していたことが国連の調査で判明したことについて「罪のない市民を攻撃するアサド政権によるひどい行為の一環で、明らかに道徳に反した行為だ」と非難しました。そして、アサド政権の退陣を求める立場を改めて示したうえで、アサド政権を支援しているロシアに対して「事態を悪化させており、支援をやめるべきだ。むしろ影響力を行使して政権の移行を進めさせるべきだ」と訴えました。


一方、3年前にオバマ大統領がシリアへの軍事行動を見合わせ、ロシアとの間でアサド政権が保有する化学兵器の廃棄に応じたことが適切だったかどうかという質問に対して、アーネスト報道官は「もしロシアとの間で化学兵器の廃棄に合意していなければ、過激派が活動するシリアにサリンガスが残ったことになり、状況はむしろ悪化していた可能性がある」と述べ、大統領の決断は正しかったという認識を示しました。

今回の調査結果の内容について、ロシアのチュルキン国連大使は25日、記者団に過激派組織IS=イスラミックステートが化学兵器の一種、マスタードガスを使っていたことが明記されていることを明らかにしました。チュルキン大使は「ISがマスタードガスの使用に関与したとはっきり書いてある。ISは化学兵器を使っていると言われてきたがこれで明確になった。われわれは適切に対応しなければならない」と述べました。


一方、調査でシリアのアサド政権が化学兵器の一種の塩素ガスを使用していたことが判明し、アメリカ政府がロシアに対してアサド政権への支援をやめるよう訴えていることに関連して、チュルキン大使は「アメリカと協議している」と述べるにとどまりました。


今回の調査結果は24日、国連安全保障理事会に提出され、国連によりますと、来週にも公表される見通しで、化学兵器の使用の実態がどこまで明らかになるのか注目されます。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160825#1472121438