シリア内戦 関係国会合 停戦維持へ努力で一致 | NHKニュース
シリアではアサド政権と反政府勢力が今月12日に停戦に入りましたが1週間が経過した19日、政府軍が「停戦は終了した」と発表して攻撃を再開し、停戦が崩壊する懸念が強まっています。
この問題をめぐって、打開策を探るため、それぞれを支援するロシアのラブロフ外相やアメリカのケリー国務長官など、関係国による外相会合が20日、ニューヨークで開かれました。
アメリカ国務省は参加国は停戦を維持させるために努力することで一致したとしていますが、具体策を見出すことはできておらず、今週後半に再び会合を開くということです。
内戦の調停を担当し、この会合にも参加した国連のデミストラ特使は、NHKなどの取材に対し、「停戦は終わっていない。これは参加者全員が確認したことだ」と述べ、最低限の成果は得られたと強調しています。
しかし、シリア北部で19日、国連などのトラックが攻撃を受けたことをめぐり、アメリカが政府軍かロシア軍による空爆との見方を示したのに対し、ロシア政府は20日、これを否定するなど応酬が続いており、停戦の維持に向けて双方が歩み寄ることができるのかが焦点となっています。
国連総会で演説したオランド大統領は、停戦が危機に瀕しているシリアの情勢について「言えるのはただひと言、もううんざりということだ」と述べました。
そのうえで、「停戦は長続きしなかった。その責任はアサド政権にある」と述べ、攻撃を再開したアサド政権を厳しく非難しました。
さらにオランド大統領は、「ここでシリアの悲劇を終わりにしなければ、国際社会は、歴史に泥を塗ることなる」と述べて、停戦の維持に向けて、国際社会の結束を呼びかけました。