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日本株は今年勢いに乗っているが、米国人の投資家は、円高の影響でドルベースの投資リターンが上向いている今も投資先としてあまり関心を示していないと、ゴールドマン・サックス証券が指摘した。


  同社のキャシー・松井、鈴木廣美、建部和礼のアナリスト3氏は1日付のリポートで、「当社の最近の米国投資家訪問では、日本株に対する関心は総じてかなり低かった」とし、ロング(買い持ち)のみの米国投資家の大半が引き続き「日本株をアンダーウエートしている」ことに触れた。


  2日の東京株式相場はTOPIXが2015年8月以来の高値で引けた。ドルベースの年初来リターンはS&P500種株価指数を上回る。日経平均株価も15年12月以来初めて2万円の大台を回復した。


  ゴールドマンの3氏は、米国投資家が日本株にあまり関心がない理由をいくつか説明した。まず、「憲法改正が優先され、経済改革が後回しになること」への懸念がある。次に、日本株が引き続き為替相場と関連付けられていることも難点だという。円が下落すれば輸出企業の収益が増大するという仮定で、TOPIXが上昇する傾向にある。だがこの思考には、失業率の急低下を受けてデフレの遺産が徐々に消えつつあることなど、日本の国内市場の微妙な変化が反映されていない。


  リポートは、輸出が日本の国内総生産(GDP)に占める割合はもはや20%に満たないと指摘。だがこれが米国人にまだ理解されていないようで、5月末の米国訪問では、日本株投資について「円が今後大きく下げるという話をしない限り、興味を持たせるのがとにかく難しかった」と松井氏は電話インタビューで話した。


  ゴールドマンの3氏はこのほか、先進国経済では欧州株、アジアでは中国、韓国といった新興国市場の方に関心があることや、最近の米国債利回りの低下でドルが対円で下落する可能性があることなどが、日本株への関心をそいでいると指摘。さらに「目先、外国勢による大量の日本株買いにつながるような具体的な材料の特定は困難」だとし、「日本株の様子見を続けている理由の一つに、米国の投資家は市場のどこに投資すべきか決めかねているとことを挙げた」と記した。


原題:Goldman Explains Why Americans Are Ho-Hum on Japan’s Stock Rally(抜粋)

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170604#1496573516