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アメリカのトランプ大統領は2日、声明を発表し、先月、与野党の幅広い支持を得て議会で可決された、ロシアに対して新たな制裁を科す法案に署名したと明らかにしました。


この法案は、ロシアがサイバー攻撃によって去年の大統領選挙に干渉したとされる問題などを受けたもので、ロシアへの反発が強い議会が圧力の強化を迫った形です。


トランプ大統領は声明で、法案で制裁の解除には議会の同意が必要と定められたことを念頭に「政府の権限を侵犯していて、深刻な欠点がある」などと批判を展開しました。


しかし「問題を抱えた法案だが、ロシアが両国関係を改善させるため行動すべきだという国民の意思を表している」として、国民の意向を踏まえ署名したと強調しました。


ただ声明の結びでは「議会よりも私のほうが、外国とはるかによい取り引きを結ぶことができる」として、対ロ政策の主導権を議会に握られたことへの悔しさをにじませています。


トランプ大統領は、テロ対策などでの協力を念頭に、ロシアとの関係改善を進めてきましたが、ロシア側はこの法案に反発していて、米ロ関係にどのような影響を与えるかが注目されます。

アメリカのトランプ大統領がロシアに対して新たな制裁を科す法案に署名したことに、ロシア側は反発を強めていて、アメリカとの関係がますます悪化することは避けられない状況です。


ロシア外務省は2日夜、声明を発表し、「ロシアに対する制裁法が制定されたことは残念なことだ。モスクワとワシントンが特別な責任を負う世界の安定が崩れていきかねない危険な政策だ」と述べて2国間関係のみならず国際社会にも悪影響を与えるものだと反発を強めています。


一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「法案は議会をすでに通っていたので大統領の署名があろうがなかろうが成立するのはわかっていたことで何も新しいことはない。だから何も変わらない」と述べたうえで現時点で新たな対抗措置に踏み切るつもりはないという考えを示しました。


この発言は、法律の制定は、トランプ大統領の意向にかかわらず不可避だったという見方を示すことで先月の首脳会談でプーチン大統領と関係改善を確認したトランプ大統領に一定の配慮を示したとも見られます。


ロシア側は、ロシアに駐在するアメリカ政府関係者の数の削減や、アメリカ大使館の関連施設の使用差し止めなどの対抗措置をすでにとっていますが、制裁法の制定で今後ロシアへの具体的な影響が表面化するなどしてアメリカとの関係がますます悪化することは避けられない状況です。


トランプ大統領は2日、ホワイトハウスで、与党・共和党上院議員2人とともに、移民制度改革のための法案を発表しました。


それによりますと、グリーンカードと呼ばれる永住権を取得している移民の多くが高い技能を持たない外国人で、アメリカ国民の雇用を奪っているとしています。


そのうえで、高い技能を持ち英語が話せる外国人を優先する制度に改めることで、移民の受け入れを現在の年間およそ100万人から10年以内に半分の50万人程度に削減するということです。


アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領は、「歴史的な提案であり、アメリカの労働者を守るものだ」と強調し、公約とする移民対策に取り組む姿勢をアピールしました。


これに対して野党・民主党の全国委員会は声明を出し、「移民を規制すれば、アメリカの経済成長や潜在力が損なわれる」と批判しました。さらに移民によって地元経済が支えられている一部の共和党議員からも反発が出ていて、議会での法案の審議は難航する見通しです。

この法案をめぐって2日に行われたホワイトハウスの記者会見では、ホワイトハウスの高官とCNNテレビの記者が激しく応酬する一幕がありました。


英語が話せる外国人を優先するという制度について、CNNテレビのアコスタ記者が「移民はアメリカに来てから英語を学ぶわけにはいかないのか。イギリスやオーストラリアからしか移民を受け入れないのか」などと疑問を呈しました。


これに対し、ミラー大統領補佐官は「イギリスやオーストラリア以外の国の出身でも英語が話せる人は大勢いるのに、そんなことも知らないのか。あなたの偏見があらわになった。言語道断で失礼極まりなく、無知で、愚かな発言だ」と声を荒らげて批判しました。


アコスタ記者は以前、トランプ大統領から「おまえはフェイクニュースだ」と名指しされるなど政権に対する批判的な報道ぶりで知られていて、記者会見では、自身の父親は英語が話せないままキューバから渡ってきた移民だと反論しました。


一方、ミラー補佐官はトランプ大統領のスピーチライターを務めるなど雄弁なことで知られ、2人は一歩も譲らず、応酬は相手の発言を遮りながら5分ほど続きました。


トランプ政権と政権に批判的なメディアの対立を象徴するような一幕となりましたが、会見に出席していたほかの記者たちからは「泥仕合だった」と冷ややかな感想も聞かれました。