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 アルツハイマー病の原因ははっきりしていないが、患者の脳に「アミロイドβ(ベータ)」というたんぱく質が発症前からたまることが分かっており、蓄積を減らせば発症を抑え、治療につながると期待されている。この病気の治療薬が販売されているが、進行を遅らせる対症療法だ。


 グループは、患者の皮膚などから作ったiPS細胞を使って大脳皮質の神経細胞を作り、病気の状態を再現。この手法で作った患者9人と健康な人4人の大脳皮質の神経細胞を使い、1258種類の既存薬からアミロイドβを減らす効果があるものを探した。その結果、パーキンソン病ぜんそくてんかんの治療薬という3種類の併用が最も効果が高く、患者でアミロイドβが作られる量を平均30%以上減らせた。


 発症前から服用すればアミロイドβが作られるのを抑えて発症を予防できると、井上さんらは期待する。ただ、それぞれの薬は安全性が確認されているが、組み合わせた場合の副作用などを詳しく調べる必要があり、ただちには治療に使えない。井上さんは「臨床試験を視野に入れて研究を進めたい」と話す。

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