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 先月の初場所中に開かれた一門会。かつて「貴の乱」と呼ばれた2010年に二所ノ関一門から飛び出して初当選した時からの仲間たちが、貴乃花親方の立候補を辞退するよう働きかけていた。


 「1期だけ休み、次回の選挙で復活を目指してはどうか」。本人は元横綱日馬富士の傷害事件で、協会への報告を怠ったことを問われて1月に理事を解任された。「一度、引いた形で再登場すれば印象も良い」。しかし、貴乃花親方は聞き入れなかったという。


 「自分は落ちてもいい。無投票はよくない」。自らが出馬をやめれば、立候補予定者は定員と同じ10人だった。必死に説き伏せようとする親方たちに言った言葉が、「皆さんは阿武松親方に入れてください。私は(自分の)1票だけでいい」だったという。


日本相撲協会の新しい理事候補を選ぶ選挙は、10人の定員に対し、11人が立候補を届け出て、2日午後2時から東京・両国の国技館ですべての親方101人による投票が行われました。


投票の結果八角理事長をはじめ、現職の7人と新人3人の合わせて10人の当選が決まり、2票にとどまった貴乃花親方が落選しました。


貴乃花親方はこれまで4期連続で理事を務めてきましたが、元横綱日馬富士による傷害事件への対応をめぐって先月、理事を解任されたばかりで今回の選挙では新人の阿武松親方を一門の優先候補として擁立し、みずからは一門を超えた支持の広がりを目指していました。


貴乃花親方は5回目の選挙で初めての落選です。


また、合わせて行われた副理事の候補選挙では貴乃花一門が擁立した無所属の錣山親方が落選しました。


当選した10人の親方は理事候補として、来月の春場所後に理事選任の権限を持つ評議員会に推薦されます。

届出順に、八角理事長が11票、尾車親方が10票、鏡山親方が11票、春日野親方が9票、阿武松親方が8票、山響親方が8票、出羽海親方が9票、高島親方が12票、芝田山親方が10票、境川親方が11票、貴乃花親方が2票です。


この結果、貴乃花親方が落選し、残る10人が理事候補に選ばれました。

貴乃花一門の親方の票を集めて当選した新人で元関脇・益荒雄の阿武松親方は「相撲協会の一員としてファンに愛され、活力ある組織になるように微力ながらも全力でやりたい」と抱負を述べました。


そのうえで一門から2人が立候補し阿武松親方に票を集めることで結果的に貴乃花親方が落選したことについては「11人が立候補して投票していただくということが相撲協会の活力になると話してきた。貴乃花親方は大事な仲間で友人なので、私は一生懸命、仕事をさせていただきたい」と話していました。

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