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2018年の西日本豪雨で大規模な浸水被害となった岡山県倉敷市真備町では、当時71歳の自治会長の男性が車に取り残された地域の人を助けに向かったあとに亡くなり、洪水に巻き込まれたとみられています。

静岡大学の牛山素行教授は、1999年以降に豪雨や台風などの災害時に犠牲となった1500人余りについて、報道された内容などをもとに分析しました。

その結果、九州や四国、東北などで発生した少なくとも9つの災害で、11人が地域の住民を助けに行ったり、避難誘導したりする「共助」の活動中に命を落としていたとみられることが分かりました。

中には、
▽土砂崩れで家から出られなくなった人を助けようとした隣の家の住民が再び起きた土砂崩れに巻き込まれたり
▽特別警報が出るなか1人暮らしの高齢者に頼まれて家に向かったとみられる民生委員が自宅近くの用水路で亡くなっていたケースもありました。

西日本豪雨以降の5年間は、2020年を除いて毎年、共助の活動中に犠牲となるいわば「共助死」が起きていて、6月も記録的な大雨となった和歌山県で近所に住む女性の避難を手伝おうとしていたとみられる男性が冠水した道路で流され亡くなっています。

西日本豪雨で“共助死”した町内会長

西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町で共助の活動中に亡くなったとみられる高本健吾さん(71)は10年以上、地域の町内会長を務めていました。

高本さんの町内会では当時73世帯が暮らし、多くが豪雨で自宅が全壊する被害を受けました。

同じ地域に住む山田久さん(68)によりますと、2018年7月7日の午前1時ごろ、高台にある集会所に高本さんを含む5人ほどが避難し、ほかの住民にも電話で避難を呼びかけていました。

降り続いた雨の影響で地域の東側を流れる川ではすでに堤防が決壊するなどしていて、集会所の付近では数センチ程度の浸水が始まっていたということです。

そして午前1時半ごろに高本さんの携帯電話が鳴り、話を終えると高本さんはひとりで自動車に乗って急いで出て行ったということです。

このころには南側にある別の川からも出水が確認され、真備町の広い範囲に避難指示が出されていました。

高本さんが集会所を出てからおよそ10分後、集会所にいた山田さんに高本さんから「車の中に人がいる。このままだと水没して死んでしまう。いますぐ数人で出てきてほしい」と電話がありました。

山田さんはすぐに歩いて現場へ向かいましたが、数センチほどだった集会所付近の水位はひざ下あたりまで上昇していました。

さらに先へ数十メートルほど進むと、水はさらに深く胸の高さほどにまでなり、それ以上進むことはできませんでした。

高本さんからは2回にわたり「何とか助けたいから早く来てほしい」とか「もうだめだ。死んでしまう」などと電話がありましたが、会話の途中で切れてしまい、その後はつながらなくなったということです。

高本さんは2日後に近くで遺体で見つかりました。

山田久さんは「高本さんは誰よりも地域のことを大切にしている、責任感の強い人だったからこそ助けに向かったのだと思います。浸水のスピードがあれほど早いということがわかっていたら、救助に向かおうとする高本さんのことを絶対に止めていました。浸水が発生している中で人を助けに行こうとすることは危険なことだと思います」と話していました。

“共助死”防ぐ模索「みずからの安全確保を最優先」

「共助」の活動中に犠牲となる「共助死」を防ごうと、地域では模索が始まっています。

長崎県西海市ではおととし、1人暮らしのお年寄りから「怖いから来てほしい」と頼まれた民生委員の女性が、用水路の近くでお年寄りとともに死亡しているのが見つかりました。

市によると、女性は車で様子を確認しに行った際に被害にあったとみられています。
これを受けて、市の民生委員でつくる団体は、注意喚起のための文書を新たに作成しました。

それには「民生委員・児童委員の職務は人命救助ではない」と明記され、危険を感じたら活動を中止してみずからの安全確保を最優先することを求めています。

この団体は6月、本格的な大雨のシーズンを前に文書を民生委員一人一人に配布しました。

西海市民生委員児童委員協議会連合会の坂本純敏会長は「地域のために頑張りたいという思いを持って活動している、責任感の強い人が多いです。被害を繰り返さないために、その思いをしっかりと理解しながら、災害時には自分の命を守ることを第一に考えてくださいと呼びかけ続けていかなければいけないと考えています」と話していました。

このほか、西海市では自治会長など自主防災組織を運営する人に対しても、市の防災担当者が地区の研修などの機会を活用して身の安全の確保を最優先に活動するよう呼びかけています。

西海市総務部の山下八郎地域防災マネージャーは「災害時の活動で、最も気をつけなければいけないことは、助けに行った人などが巻き込まれる二次被害だと思っています。自治体から避難の情報が出される前に、自治会長や民生委員の方々には住民に早めの避難を呼びかけていただき、情報が出たら率先して避難してもらうようお願いしています」と話していました。

専門家「まずは自分自身の命を守らなければ」

豪雨災害に詳しい静岡大学の牛山素行教授は「共助の活動自体はとても重要で、助けに行く気持ちはよく理解できる。ただ、自分の命を危険にさらしてまで助けに行くことについては慎重に考えるべきだ。大雨警戒レベル4の『避難指示』以上の状況になった際にはみずからの安全を最優先に考え助けに行くのは見合わせてほしい」と指摘しています。

そのうえで、助けに行くことが難しい場合にできることとして「それぞれの地域の災害リスクや暮らし方などを踏まえて、電話で対応を伝えるなどできることはある。例えば2020年7月の豪雨で熊本県人吉市の消防が119番通報を受けた際に『救助に行くのは難しい状況だが、浮きそうな物につかまって』などと安全を確保するための方法を伝えていた。雨などの状況によっては助けに行くことができない場合があるとお互いが理解し、私たち一人一人がまずは自分自身の命を守らなきゃいけないことを頭に入れてくことが重要だ」と話しています。

#気象・災害

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