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#慶應(フォン・デア・ライエン)
#慶應(DS)

7月28日「書斎①」

人間にはどうしてもあるスペース、空間というものが必要だ。
われわれが生活するのにどうしても必要な空間・余裕──こういう環境をバイオトープ(biotope)と言う。
これはちょっと考えればわかることであって、たとえばお互いに家を成すのに、どうしても主人には書斎というものが要る。
家族といえども、それから煩わされない主人公の絶対の空間──バイオトープが要る。

「風流-人生の有情-」

貪にして客を享(もてな)すに能(あた)はず
しかも客を好む

老いて世に狗(したが)ふ能はず
しかも世に維(つな)がるるを好む

窮して書を買う能はず しかも奇書を好む
(酔古堂剣掃)

人間味というものは案外矛盾のなかにあるものである。
貧乏で客を歓待するだけの余裕がない、しかも客が好きである。
やたらにお客を引っ張りこんでくる。
奥さんが渋面を作っている-なんていうのは男の一つの味だ。

老いてますます頑固で当世に遭わぬ。しかその世間がいちいち癪(しゃく)の種である。世の中を癪に障(さ)えながら世の中に維(つな)がれている。

貧窮して本が買えない。しかし珍しい本が好きだ。

こういうのは人世の有情である。
天地有情である。この矛盾のごときところに人間の旨味がある。

活学百言「89.風韻(ふういん)」

人間の諸内容、諸徳が和合してくると、宇宙も生命も同じく、人格も節奏(リズム)を成してくる、人間そのものがどこか音楽的なものになってくる。これを風韻、韻致、風格などと称する。
つまらぬ人間ほど騒々しい、がさつである。偏(褊)人は物にこだわる。凝滞する。人格ができてくると、それがしっとりとおちついて、柔かく、なごやかに、声も妙韻を含んで、その人全体が何となくリズミカルである。

人多き 人の中にも 人ぞ無き 人となれ人 人となれ人

という道歌があるが、人物さえできれば、人生の諸問題は難なく解決する。
国家・世界の難事も、要するに人格者が出そろわねばかたづくものではないのである。

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