2007-12-31 ■ 政治 政治 【正論】ニヒリズムへ突き進む日本 京都大学教授・佐伯啓思 こうして、経済成長、自由・平等の拡大という本質的に「手段」であるものが「自己目的」となってしまい、しかもその「目的」は具体的イメージを伴わないために内容空疎な名目となってしまった。かくて、われわれは何のために働き、何のために勉強をし、何のために自由を求めるのか、その素朴な問いの前に茫然(ぼうぜん)と自失しているように見える。