喜怒哀楽は生きるための原動力であり、怒りの感情がなくなったら、社会的かつ生物的にうまく生活できなくなるにちがいない。しかし、怒りとキレることとは違う。怒っても理性は残っているが、キレている人は理性を失っている。怒っている自分の姿を脳裏の片隅で理解しているかどうか、いいかえると、自己コントロールの範囲内にあるかどうかが、健全な怒りとキレた状態の差なのだろう。
意識がスカーンと抜けるようになると、囚われなくなり、完全にコントロールできるようになる。そして、コントロールできるから思い切って怒れる。但し、先に進むと強い怒りを発することは慎まなければならない事情がでてくる。
怒りの心理学
怒りにふりまわされないために−。私たちはどんなふうに怒りを感じ、表し、つきあっているのだろうか。最新かつ有用な怒りのメカニズム理論とコントロール法をわかりやすく紹介。実務家にも役立つ知見をコンパクトにまとめる。