福田首相はダボスで、「日本は自由主義の国であり、世界の資本がどんどん入ってきているし、日本からも出て行く」と、開国宣言をした。日本は自由主義経済であり、構造改革を続けるという宣言をしたのだ。
ところが、実態はどうか。構造改革とは全く逆の動きをしている。
大連立騒動以後、小沢さんは決断する力を失った。民主党の中で決断する場所は小沢さんから離れて、しかもどこにもない。
民主党が元財務事務次官の武藤敏郎・日銀副総裁の昇格案に反対すると、自民党は黒田東彦アジア開発銀行総裁(元財務官)を総裁にしようとした。しかし、黒田さんが日銀総裁になると、アジア開発銀行総裁のポストが中国に取られると、外務省が嫌がって拒否した。
次に政府は、渡辺博史国際金融情報センター顧問(元財務省)を総裁にしようとした。ところが今度は財務省が、ランクが違う、年次が違う、若すぎるということで拒否した。
今や、政府側には持ち駒がない状態だ。小泉さんが首相ならば、むしろ民主党に下駄を預けることで解決をはかって、自民党ペースを取り戻そうとしたと思う。福田さんにはそういう意思、気力が全く感じられない。