しかし、道路特定財源に群がった「政官業癒着の構図」にはメスは入っていない。福田康夫首相が模索する正面突破作戦は、国民の批判を招きかねない危険な賭けとなりそうだ。
政府筋は27日午前、「政府・与党では再可決の方向だ」と言明。「道路族のドン」と言われる自民党の古賀誠選対委員長も同日昼の古賀派総会で「3分の2(での再可決)を覚悟しなければならない」と強調した。
福田首相が再可決やむなしと判断したのは、古賀氏や二階俊博総務会長の影響が強い。
古賀、二階両氏は26日午後、伊吹文明幹事長と谷垣禎一政調会長を合わせた党4役で道路特定財源問題について協議し、民主党が求める「暫定税率撤廃」などには応じない方針を再確認した。会談後、二階氏は「(政府案の)堅持だ」と強調した。
いくら福田首相が記者会見で新提案を行っても、道路特定財源に群がってきた道路官僚や道路族、ゼネコンらの利権を温存したままでは、とても野党や国民の理解は得られそうにない。