「風景であれ人であれ、被写体との感動関係がなければ、いい写真は撮れません。感動がモチベーションになり、作品が感動を表現していると成功ですね」。その居酒屋の店員はすべて東京芸術大学の学生なので、こんな共感の議論が盛り上がった。
私も少し水彩画を描くが、時間ができたから描いてみようという態度では、いい絵は描けないようだ。素晴らしい風景に感動して描きたくなった時にいい絵ができるという。
どんな仕事にも感動がある。生活のためだけでなく、企業の利益のためだけでもなく、少しでいいから感動のために仕事をしたいものだ。
企業から、社会人から、国から、もっと感動のニュースがほしい。感動が創造し、創造が感動のエネルギー源を与えるからだ。
創造のレベルはそう高くないのに、金銭のリターンが大きいので、その仕事を感動モデルと勘違いしてしまうことも多いだろう。
それでは結局、創造力もそれほど育たないし、本当の感動を味わえないままの人生になってしまうことに気がついていない例も多そうだ。