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【老舗のおごり(中)】料亭の絶対君主「ここは人生の道場だ」

常態化していた食べ残しの使い回しに対し、「恥ずべきこと」という認識は調理場全体で共通していた。だが、改めることはできなかった。

 その理由は、前社長の湯木正徳(74)の存在だった。

 「程度の差はあれ、みなが若主人(喜久郎)のように寡黙だった。主人(正徳)はいわば絶対君主。だれも逆らえなかった」と元社員が振り返る。

元調理人は当時の説教を思いだし、しみじみと語った。「真剣勝負の道場には程遠かった」

【老舗のおごり(下)】守ろうとしたのは客でも従業員でもなく「のれん」

 「お客さま第一と言い続けながら、経営陣はお客さまのことも従業員のことも考えていなかったのではないか。守ろうとしていたのはのれんだけだったのだろう」