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上山信一の「続・自治体改革の突破口」 第80回 構造改革と政権交代――改革屋による「政局の見方」

 筆者は、「総選挙と政権交代を何度か経て、やっと本当の構造改革が始まる」と考える。今の自民党にも民主党にも政権担当能力はない。短命内閣が続き、総選挙が何度か起こり、そこから自民党民主党両方の改革、あるいは解体、さらに政界再編が見えてくるだろう。そういう意味ではとにかく早く総選挙をやるべきだ。理想は政界再編である。選挙と政界再編の繰り返しの中で自民党でも民主党でも長老や古い思考の政治家が淘汰されていく。従って上策は政界再編、自民・民主共に解体である。中策は民主党政権。所詮は短命に終わるがその過程で自民党守旧派族議員が利権を失い自民党の浄化が進む。その後の自民党に期待したい。さらにそこで民主党自民党から政権を奪還するとすばらしい。下策は自民党内での世代交代。だがこれではたいした改革は進まず、いずれ政界再編か民主党政権になるだろう。

 要は今の自民党にも民主党にも構造改革はできない。安部政権も福田政権も短命に終わったがそれで全くかまわない政権担当能力がないのだから当然の帰結である。今の政治で最も重要なことは、与党であり続けること、つまり利益分配の権益の維持が自己目的化した自民党の解体もしくは浄化である。そして次に公務員労組に反論できない民主党の解体もしくは浄化である。そのためには自民党内での政権のたらいまわしではなく、民主党への政権シフト、そして何よりもまず自民党がともかく一度は政権を失うことが変革の最初の一歩になると考える。

だから、民主党の代表選がどうの小沢一郎の政策がどうのというのは第一義的な問題ではない。
ついでに言っておけば、岡崎久彦岡本行夫佐藤優ら外務省出身者は、役人目線で、自分らの外交政策が実行されるかだけで政治を見ている。
学者も、石原伸晃も、石破茂も同じだ。
自民党の候補者が言ってることなんて小沢一郎が20年前に言ってたことだ。
それが出来ないから、腰を折り膝を屈して民主党に妥協し、政権交代可能な政党に育て上げようとしてきたんだ。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080612#1213262426
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080409#1207698471
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080107#1199757625

各種のデータから、筆者は国民の多くは次のような姿を望んでいると思う。

1. 「小さな政府、自己責任」の社会よりもある程度政府が面倒を見る「高福祉」の社会を望んでいる。つまり米国型の「小さな政府」よりは欧州型の「中くらいか大きな政府」を望んでいる。ありとあらゆる分野に市場原理主義を入れることには慎重である。
2. 年金問題や公共事業の無駄を契機に官僚組織に対する強い不信感を抱いている。ある程度の「規制緩和」や「民営化」も必要だと感じている。この意味で面倒見のいい政府は必要だが、官僚組織には期待できないと考えている。
3. 財政再建は大事だと思っている。これは各種世論調査や例えば滋賀の新幹線新駅建設問題や大阪府の橋下改革への支持の高さからも窺える。
4. 増税には反対する。しかし原因は「2.」に由来する。政府が信用できる存在に変われば国民は「高福祉・高負担」に応じると思われる。

国民が自民党民主党の大連立を希望するというのは、昔、自民党社会党の連立を希望すると言ってたのと一緒で、要は、無用な争いは止めてみんなが納得するような政治をやれということだ。
しかし、それは今の時点で大連立をやったって実現できないんだ。