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メリルリンチ買収でバンカメが抱えた「金庫の中のギャンブラー達」|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン

 ひとつには、資金を調達して、リスクを取り、投資し、かつリターンに対して成功報酬でガッポリ儲けるという投資銀行のビジネスモデルを、銀行システムの中に上手く抱えこむことができるのかという問題がある。

 投資銀行ビジネスが、銀行システムの外にある限りは、たとえば、リーマンが破綻した時のように、銀行に対する影響を遮断する形で潰すことができる。だが銀行システムの内側に取り込んでしまった場合には、リスクのコントロールはかなり厄介だ。そういう意味では、金融再編によって、当面の危機は去るものの、将来の火種を残したままだと言える。

 そもそも先端の金融商品を扱う投資銀行業務は、他人が正しく簡単にリスク評価やプライシングができないからこそ商売になる。つまり投資銀行の社内すら騙される可能性が高い。預金を直接持っていて決済に関わっている銀行が、「ギャンブラー集団」である投資銀行をコントロールすることには本質的に無理がある。金庫の中にギャンブラー集団を招き入れて、銀行は本当に大丈夫なのか。

 翻って日本の金融行政を考えると、現時点では、銀行を大きくして、その大きくした銀行にあれもこれも認めて、結局、ユニバーサルバンクのようなものを作ろうとしている。

 こう言っては失礼だが、みずほはあの程度の証券業務しか持っていないのに、サブプライム関連の金融商品に少し手を出しただけで、6000億円から7000億円の損失を出した。