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【正論】防衛大学校名誉教授 拓殖大学海外事情研究所客員教授・佐瀬昌盛

 国際情勢はにわかに緊張、「新冷戦?」の声が高まった。が、私は新冷戦の文脈での議論に抵抗を感じる。なぜか。一般的な理解では冷戦とは第二次世界大戦後の事象だが、今回のロシアの行動はむしろ「第二次大戦前的」であるからだ。それに対応して、ロシアの周辺地域国の反応も冷戦期のそれとは随分違う。

スウェーデンのビルト外相も、ロシアの行動でヒトラーのズデーテン政策を連想したと語った。これも第二次大戦前の想起だ。冷戦の敗者たるソ連=ロシアにいまや大ロシア主義が台頭する気配を、ロシア西方の諸隣国は70年前の大ドイツ主義の記憶を辿(たど)りながら、直感しているのだろう。