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宮田秀明の「経営の設計学」世界最速を極めるエンジニア魂

 F1の現場に来て最初に思ったのは、世界一を目指すために働いている様々な国の人々の、明るくて前向きな気持ちの集まりが作り出す独得の雰囲気だ。高額の資金が必要なプロジェクトではあるが、人々はお金のために働いているわけではない。素晴らしい成果を上げるために、世界中の国々の人が、ニコニコとしながら世界中を飛びまわって働いている。

 F1レースは技術と人の能力の限界を極めるところに見応えがある。

 「デジタル情報とアナログ情報を正しく組み合わせる」ことは大変難しい。最高レベルの経営力が要求される。

 企業の経営にも同じことが言える。デジタルな情報は重要で、正しく解析しなければならない。しかし直感的な力や感覚的な力や、哲学的な力の方が重要な時も多いだろう。金融危機に陥った現在もそういう時代かもしれない。

我々は競合チームの分析を大量に行っている。

 分析結果などから、例えばマクラーレンのモデルを真似たりはしない。中身を理解し、他の部分との関係が分かっていないと、単に形だけのコピーはできないものだ。ただアイデアを得ることはできる。しかし、マクラーレンのものをそのままルノーに使うような真似はしないものだ。スパイする、ということがあるように言われるが、独自の技術でないものを導入するのは間違ったやり方または弱いチームのすることだろう。

プロフィールの写真より遙かに人相のいい宮田秀明教授。