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【書評】『真贋(しんがん)の洞察』西尾幹二著

 「真贋」とはもちろん本物と偽物の区別ということだが、現代ほどこの区別が見えにくい時代はない。価値の基準、尺度が多様化し、超越的な絶対者が見失われているからであるが、それはいきおい知識人の言論を場当たり的なものにする。これは保守とリベラルといった思想的立場にはかかわりなく、むしろ思想のレッテルをはれば済むという態度こそ、物事の本質を洞察する力を奪う。

今日の言論界において跳梁跋扈((ちょうりょうばっこ)する「贋」

「冷静な知性」を装った言論

価値相対主義者のいう「価値観の多様性」とは「価値観の喪失」を意味する。